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2009年8月21日 (金)

はじまり

無表情の少年が
嵐の路地を頼りなくすすむ
周りの人々は慌ただしくも何かをしている様に見える
嵐を避けて雨宿りする人、
お店を閉める店主、
傘と一緒に飛ばされそうになる人、

その少年には名前も肩書きもない
寝癖が残りだらしない髪は湿り始め、
すり切れた服の糸から雨が滴る
サンダルの踵は擦れて、薄い

突風が路地を襲う
自転車が倒れ、店の立て看板は飛んでいく、
もう少年以外路地には誰もいない

それでも少年は歩き続ける
帰還兵の様に重たい背中、
重労働で痛んだ様な手、
ネジ巻おもちゃのとまる寸前の様な足取り、

その少年の行き先を誰も知らない

その少年が何故歩き続けるのか誰も知らない






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2009年8月12日 (水)

長編撮影、終了。

長編映画の撮影が終わり、ロサンゼルスに戻ってきました。
結局1ヶ月近くフロリダにいました。

いろいろな意味で過酷な撮影でした。

不可能に近かったが無理矢理終らせたスケジュール、毎日膨らんでいく予算、撮影場所の豪邸の裏の池に出現したワニ!、キャスト、クルーが蚊の大群に襲われる、予想以上に準備時間のかかった銃の火薬に血糊の掃除、オーランドの冷蔵庫の様な室内の冷房とサウナの様な外の湿気、最後疲労睡眠不足で横たわるクルー達その結果足りなくなるクルー、 キャスト、クルーが泊まったホテルのツインピークスの様な奇妙な人々(ジャンキー、麻薬売人、売春婦などなど)のすむホテル。

しかし毎日オレが監督(ストーリーテラー)として戦っていたフロリダの霧の様なドンヨリ湿った暗い制御不可能な力が個人的には一番困難だった。

自分の名前をクレジットから抜きたいと思った事が毎日何度もあった。

嘘もつきたくないし、いいわけもしたくない。

信頼できる俳優達と素晴らしいリアリティーのあるシーンをクリエイトし、良い物をつくるという同じゴールを持ち一生懸命働いたクルーの事を思えば、皆にとってよい勉強と経験になったと信じて、これからも羽ばたいてほしいと思う。

ただ今までオレが監督した映画の中でも、一番溝口色の薄い作品になるであろう。
また今回は自分で脚本を書いてごり押しした映画でもない。
今回プロデューサーのもってきた企画と他人の脚本から監督する事を引き受けたのは、自分の演出力に磨きをかけるためと、この映画が仕事として入ってきたからであった。
しかし今回は雇われ監督として、良い映画にするための努力は毎日怠らず、最終日までケジメはつけたつもりだ。

”If you don't like how I'm running the set, fire me!"
『オレのやり方が気に入らないなら、首にしろ!』
まで口に出た。

体力的には撮影中殆ど寝なかったが、夢中になるとぜんぜん平気だった。っというか撮影後何時間か昼寝をしてもすぐ起きてしまっていた。

これからは今まで通り自分で脚本も書いて監督していくと同時に、インスピレーションが見つかれば他人の脚本でも監督する。
特にハリウッドでは他人の脚本から監督できるフレキシビリティーがなければ生き残れない。

今回は自分の課題がしっかり浮き上がってきたと同時に、
次回作への意欲がますます湧いてきました。

フロリダのローカル局が撮影中取材に来たのでリンクを載せておきます。
Orlando Sentinel
っていっても、ライターに間違った時間を教えたらしく、彼は2時間以上セットで待っていたらしく、記事もあまり良い事書いてないです。(英語です)






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